B型肝炎、C型肝炎、脂肪肝(炎)、アルコール性肝炎、肝硬変のような肝疾患の他、肝癌・転移性肝癌の内科的治療を得意としています。特に肝癌・転移性肝癌における切らずに治す「アブレーション治療(ラジオ波・マイクロ波)」は、前任地である三井記念病院において日本全国トップ10以内の治療件数を10年以上キープした実績があります。2023年4月より当院でこのアブレーション治療を実施できる体制を整えています。治療の詳しい概要に関しては、こちらをご参照ください。
また肝臓内科では、遠方からの移動時間を気にすることなく相談を受けていただくことができる椎名秀一朗医師による「オンライン肝がん相談外来」を設置しております。詳しくは、こちらのページをご確認ください。
肝臓に脂肪が蓄積した状態を脂肪肝と言います。20歳の時の体重より10kg以上増加している場合は脂肪肝のリスクあります。脂肪肝は超音波の検査で診断を行い、血液検査ではALT、γ-GTPが高値となります。無症状で経過しますが、放置すると肝硬変を経て肝細胞癌を発症することもあります。脂肪肝は生活習慣病の1つです。脂肪肝を有する方は、脂質異常症、糖尿病、高血圧症など他の生活習慣病を有することも多いです。心配な方は是非肝臓内科にご相談ください。
| 氏名 | 役職 |
| 椎名 秀一朗(非常勤) | |
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【取得認定医・専門医等】 日本内科学会認定医 日本消化器病学会認定専門医、指導医 日本肝臓学会専門医、指導医 日本超音波医学会専門医、指導医 日本がん治療認定医機構暫定教育医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 FMGEMS 合格 ECFMG English test 合格 |
| 1982年東京大学卒業。2012~2025年順天堂大学教授。ラジオ波治療、マイクロ波治療など肝がんのアブレーションの世界的権威。治療数16,000例超で世界最多、長期生存率も全国トップ(日経新聞調査)。APASL STC Yokohama 2018(アジア太平洋肝臓学会肝癌会議)、ACTA 2021 TOKYO(第7回アジア腫瘍アブレーション会議)、第58回日本肝癌研究会、APASL 2024 Kyoto(第33回アジア太平洋肝臓学会総会)などを主催、「ACTA肝癌アブレーションガイドライン」を策定。日本アブレーション研究会代表幹事。多くの門下生が国内外で活躍。アブレーション治療全体のレベルアップを目的としたトレーニングプログラムも実施。 | |
| 大木 隆正 | サイバーナイフセンター部長、肝臓内科部長 |
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【取得認定医・専門医等】 日本肝臓内科専門医 日本内科学会認定医 |
| 肝癌診療を専門にしていますが、サイバーナイフ治療の適応となる疾患の相談もお受けしています。肝癌治療はアブレーション治療をメインに行っています。アブレーション治療、サイバーナイフ治療いずれも癌を切らずに治すことのできる「低侵襲治療」になります。癌治療でお悩みの方は相談だけでもかまいません、よろしくお願い致します。 | |
局所麻酔と点滴からの鎮痛・鎮静剤の注入で、ほぼ100%の患者さんで無痛状態を実現します。全身麻酔ではありませんので、体にかかる負担も最小限です。
残念ながら当院に透析施設がないため実施しておりません。連携している多施設へのご紹介となります。
肝癌には原発性肝癌(主には肝細胞癌)と転移性肝癌の2種類があります。肝細胞癌に対する無痛アブレーション治療の適応は腫瘍の長径3センチ、3個以内が一般的ですが、当院では肝機能が良ければこの条件を超えていても無痛アブレーション治療を行っています。
転移性肝癌とは、肝臓以外の臓器にできた癌(原発巣)が肝臓に転移したものを指します。ほぼすべての癌種において、肝臓へ転移する可能性がありますが、実際には消化器系の癌(大腸がん、胃がん、膵がん、胆のうがんなど、)乳癌、肺癌、婦人科系の癌、腎癌などが肝臓への転移を認めることが多いと報告されています。当院ではそのような転移性肝癌についても、積極的に無痛アブレーション治療を行っています。転移性肝癌は肝硬変を合併していないため、より大きな、そして、たくさんの腫瘍を焼灼することが可能です(図1-2)。しかし、転移性肝癌に対する無痛アブレーション治療はまだ歴史が浅く、外科的手術、抗がん剤治療、無痛アブレーション治療のいずれが最良なのか結論がでておりません。転移性肝癌の治療に関しては、無痛アブレーション治療のみに固執せず、必要とあれば、サイバーナイフ治療をうまく組み合わせて、患者さんがより元気に長生きできるよう努めております。肝内の腫瘍量減退が予後延長に結びつくと予想される場合は、積極的に集学的治療の一環として、無痛アブレーション治療をおこなっています。 (全身状態に実施不可能な場合もあります。)そのため、明確な腫瘍の大きさ、腫瘍の個数の制限を設けていません。お手数ですが、ご自身の転移性肝癌の状態が無痛アブレーション治療の適応かどうか、個別に外来に受診していただきご相談いただければ幸いです。大まかな目安としては、最大径5cmの場合は3個程度まで、最大径2cmの場合は10個程度までとなります。
一般的に治療が難しいと他院で断れたケースにおいても無痛アブレーション治療を行っています。これまでそのような「治療困難箇所」も含めた治療成功率は99.8%を達成しています(図3)。
当院におけるアブレーション治療は椎名、大木が担当いたします。椎名はこれまで延べ16,000件(2026年4月現在)、大木はこれまで延べ約5,000件(2026年4月現在)を無痛アブレーション治療で治療した経験があります。アブレーション治療にはいくつか苦手とする部分があります。ひとつは、超音波を用いて行いますので、超音波で描出できない腫瘍の治療が困難であること。もう一つは、熱で焼灼しますので、標的腫瘍が他臓器(心臓、胆のう、腸管)と隣接すると治療が困難であることです。前者に対しては、造影超音波やフュージョンイメージという最新の超音波を用いて対応し、治療を行っています。また、後者に関しては、人工胸水、人工腹水を用いて安全に無痛アブレーション治療を行う努力を行っています。これまで治療を行った症例の中には、腫瘍が心臓と接する症例、腸管と接する症例、胆のうと接する症例、血管と接する症例、肺の直下にある症例、肝門部(肝臓の中心部分)にある症例が含まれています。入院期間が想定よりも延長してしまうような大きな偶発症の発生率は約0.5%であり、その中で一番多いものは輸血を要する出血となっています。
当院では転移性肝癌に対して、積極的に無痛アブレーション治療を行っています。強固なエビデンスに欠ける治療であることは十分に認識しております。転移性肝癌は、転移である以上、全身の疾患であり、各癌種に応じた化学療法が治療の根幹であると考えます。また一部の癌種によっては、外科的な手術が推奨される場合もあります。私たちがこのような治療を行っているのは、標準治療で選択できるものが無くなってしまった、様々な背景により標準治療を受けることができない、そのような患者さんに少しでも元気で長生きできる時間を作るお手伝いができればと思っているからです。転移性肝癌に対するアブレーション治療は、当院の倫理委員会で正式に承認されており、前任地においてRAFAEL studyとしてUMINに登録されております(UMIN000020250)。これまでの経験は、随時学会・論文等の科学的形式で公表しております。